原子クラスター (atomic cluster)



 数個から数千個の原子からなる原子の集合体を原子クラスターと 呼んでいる。原子クラスターは個々の原子が凝集して固体を つくる途中の状態と見ることができる。一体どのくらいの数の原子が 集まったときに、我々が物質の性質として知っている多くの特性 (電気をよく流すとか磁石になるとか)が現れてくるのだろうか。 また原子クラスターは原子や分子にも固体にもない、中間的な サイズの物質特有の性質を示す場合もある。例えば多くの場合、 原子クラスターは化学反応性に富む。これをうまく利用すれば 大変の効率の良い触媒をデザインすることができるかもしれない。 また原子クラスターを媒質中に混ぜて(分散させて)やると 媒質と原子クラスターの両方の特性を備えた材料ができる。 このような材料はナノマテリアルと呼ばれ、新しい材料として 注目を集めている。また炭素原子が60個集まってちょうど サッカーボールのような形に並んだクラスターはフラーレンと 呼ばれている。フラーレンは、原子が並んで結晶を作るように、 フラーレン自身が並んで結晶をつくり特異な性質を示すことも わかってきた。


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